ノルウェーはFIFAランキングでもはるかに上位に位置し、ハーランド、オーデゴーアといった世界クラスの選手を擁する。しかし、この試合は単なる実力差だけでは語れない。ノルウェーは1998年以来のW杯本戦という重圧の中、初戦で「勝たなければならない」立場にある。イラクのグラハム・アーノルド監督も「我々にプレッシャーはまったくない」と語り、挑戦者としてのメンタリティを強調している。この心理的な非対称性が、試合の展開に大きな影響を与えるだろう。
イラクの守備力は侮れない
イラクは直前の親善試合でスペイン相手に1-1の引き分けを演じている。スペインは大幅にメンバーを入れ替えたとはいえ、イラクがコンパクトな4-4-2ブロックを敷き、相手の攻撃を封じる能力を示した。さらに、プレーオフではボリビアを破って本戦切符を掴んでおり、大一番での集中力と粘り強さは証明済みだ。特に守備陣はキャプテンのジャラル・ハッサンがゴールに戻り、組織的な守備が機能している。
一方、ノルウェーは直近のモロッコ戦で立ち上がりに不安定さを見せ、早い時間帯に失点している。イラクが同様に序盤から集中して守り、試合を0-0のまま進めれば、ノルウェーに焦りが生じる可能性が高い。ヴェルレンゲンのレネ・メーレンステーン・コーチも「0-0が長く続くほど、我々の信念は強まる」と語っており、イラクは明らかに引き分けを現実的な目標として描いている。
ノルウェーの攻撃にも死角
ノルウェーはハーランド、ソルロート、ヌサと強力な攻撃陣を擁するが、ここ数試合では立ち上がりのミスが目立つ。モロッコ戦でも序盤のパスミスから失点し、修正に時間を要した。また、イラクの堅守を崩すには、サイドからのクロスやセットプレーに頼らざるを得ないが、イラクの守備陣は空中戦でもそこそこ対応できる。さらに、ノルウェーにはジョルゲン・ストランド・ラーセンが発熱で欠場しており、攻撃のオプションが限られている。
何より、W杯のグループステージ初戦は予想外の結果が起こりやすい。格下が引き分けに持ち込むケースは少なくなく、現在のオッズ7.07はイラクの守備力を過小評価していると言わざるを得ない。ブックメーカーはノルウェーの実力差を過大に評価している。イラクは引いて守り、カウンターのチャンスを狙うだろう。その戦術が成功すれば、引き分けは十分に現実味を帯びる。




